4人が本棚に入れています
本棚に追加
ヒルダはふるふると震えた。
「まさか……グランドエッグマフィン?」
「よく知っていますね」
「出ます! 参加させてください」
凄まじいやる気を見せるヒルダにリゲルが言った。
「そんなケーキいつでも買えるんじゃないのか?」
「リゲル先生、グランドエッグマフィンは数量限定でまず一般人はお目にかかる事も出来ないと言う伝説のケーキの一つなんだよ? それを参加賞で貰えるなら出るっきゃないでしょ!」
心底呆れるリゲルと吠えるくらいやる気を見せるヒルダにテレサはパンが完売した事を告げる。
蜂蜜を問屋で購入しゆっくりと帰路につく。
「これ、今日の報酬です」
銅貨を一枚差し出すテレサにヒルダは両手を振ってそれを拒んだ。
「いや、いいよ。私が原因だしさ」
「でも悪いです」
「またパンケーキ食べに行く時たっぷり蜂蜜使うからさ。とっておいてよ」
少し考えるとテレサは銅貨をしまった。
「分かりました」
暮れる焼けた空を見ながらテレサが感嘆の声をあげる中、ヒルダの頭の中はケーキの事で一杯だった。
最初のコメントを投稿しよう!