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「お茶のおかわりをお持ちしました…大神さん!?」
「ありがとう。今度またな」
奏はお茶の替えを持ってきた雛の頭を撫でて出て行った。
俺にこのガキを引き取れと。
この得体のしれないガキを。
襲うかもよ。そう言ったらおまえにはできないと断言しやがった。
「―――狼か」
確かに何かに噛まれた痕がたくさんあった。
助からないとさえ思ったほど。
そんなの血の匂いに寄ってきた野良犬に噛まれただけだ。
「おまえは、…なんで俺の世話をする?この傷はただのケンカの傷だ。おまえには関係ない」
成田に言われたのか、行くところがないから。
「……優しい匂いがしたから」
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