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「じゃあな、あんまりケンカすんなよ。また刺されたらシャレにもならねぇからな」
「うるせえよ、ヤブ医者は黙って仕事してればいいんだよ!」
汚ねぇ白衣の成田に怒鳴って、族の仲間が迎えにきた車に乗り込み雛を隣に乗せると、
「へえ、遼太郎がこんな可愛い子を連れてくるとはな。どこで知り合った?キャバクラじゃねえよな?他の族頭の女じゃねえよな?」
「遼太郎にしては随分と可愛らしい女を騙してきたな」
「騙してねえ、ちょっと訳ありでな。一緒に暮らすことになった」
きゃああぁ!?
急ブレーキが掛かって雛が隣から飛び出すのを止めた。
「遼太郎、冗談だろっ!?おまえが女と暮らすって!?」
女は飾り。
連れて見栄えのいい女をはべらかすだけの日々。
「うるせえな」
屋敷に着くとドアが開けられ同時に雛の手を引き歩き出す。
「あの人たち…」
「ああ、あいつらはいいんだ」
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