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傷口が塞がり動けるようになった頃、雛を奏に預けて丘の上に建つ洋館を訪れた。
奏が教えてくれた雛の家。
銀と住んでいた家を見上げた。
「そろそろ来ると思ってた。どうぞ」
山積みになった資料と壁一面本に囲まれた図書の部屋に通された。
「昔、日本にはいろんな者たちが住んでいた。鬼や妖怪、妖精もいれば今は滅んだ狼もいた」
出された紅茶に口をつけることなく銀の話を聞く。
「今の時代にはもういないと思ってるだろう?だが、鬼も妖怪もいる。絶滅したはずの狼も数は少ないが生き残っている。姿を変え変化して」
いったい何を言いたい?
「真由は純血の狼だよ」
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