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雛の肩を引き離して真正面で雛の顔を見た。
「俺はおまえのことなんてなんとも思ってない」
「……遼太郎…？」
「おまえがいると邪魔なんだよ。家に女も連れ込めない」
ひどく傷ついた瞳で俺を見上げる。
「雛、おまえがいるとイラつくんだ」
俺が映る雛の瞳が揺れて大粒の雫が落ちた。
ポロポロ、ポロポロ
痛い―――心が叫んでる
手離すなと。
雛を傷つけるなと。
抱き締めて離すなと。
「おまえは帰れ」
「…遼太、郎…」
「帰れっ！！」
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