第1章

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「ねぇねぇ、葵。 聞いてよ~! 彼がねっ、少し太った?って私に言うのよ! 失礼だと思わない?!」 この人、私の友達。 宮前 典子。 「ねぇってばぁ! 聞いてる?」 「はいはい聞いてますよ。」 だから何なんだ? って言いたくなっちゃう。 はぁ… 「それでね、彼がねっ」 延々続くのか? 典子の話は長くて、結局は最後、おのろけ。 なんだかなぁ… 適当に相づちをうつ私。 「でね、かわいいって…」 ほらねっ。 「彼氏の居ない葵には、わかんないよね。」 「ふん ほっとけ!」 いつも、この調子。 典子は社交的で、男受けするプロポーション… 私が思ってる事は内緒。 とっかえひっかえ彼氏が替わる。 私なんて彼氏が出来た事が無いっていうのに… それでも、なんか憎めないんだよね。 私だって付き合ってないけど好きな人ぐらい居るのです。 典子にも内緒… だって特別な場所でしか会えないから。
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