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ホームに上ってきた彼は、美菜子に挨拶を済ませると、とても無念そうな顔をして私のところに来た。
「ねえ、美菜子には告白出来たの?」
彼は首を横に振った。私は少しイラつく。
「そのまま終わるんじゃ、後悔を残すだけじゃない」
「でも、美菜子さんは遠くに行くし、みんな周りにいるから告白なんて……」
今日も毎度のごとくイジイジしている。このままではケジメがつかない。
どうしようか、と思ってあたりを見渡すと、向かいに7時48分発「Maxとき305号」新潟行きが止まっている。
それを見て、鉄研で教えてもらった知識を駆使した一つの策を思いついた。
「武史くん、美菜子と二人きりなら告白出来る?」
「え!? あ、でも……」
「さっきそう言ったじゃない。考えがあるの。ついてきて」
「な、夏乃先輩!?」
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