第5章[眩しすぎる愛]

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健人の言う通り、私は高校の近くの家。 健人と健人パパがいる家に戻った。 「お帰り。」 健人パパは、満面の笑みで私を迎えてくれた。 「健人パパ…。」 どう呼ぼうか迷ったけど、健人パパはやっぱり健人パパだった。 私が変に気をまわしすぎていたんだよね…でも廣瀬さんと呼んだ方がいいんだろうか? 「お帰り、アイちゃんにそう呼ばれると落ち着くよ。」 「え?…はい。」 私を見て、ママを思い出すんじゃないかなって…のも気になってたんだけど。 「なんだ?焦らず、ここから通って大人になればいい。出てくのはその時でいいだろ?」 大人?そうか、私は無理に大人になろうとしてるって思われてたんだ。 けど、やっぱりママの事気になるよね? そんなこと聞けない、聞いたところでどうかなるわけでもないし…。 「うん。」 ママの代わりはできないけど、私を助けることで健人パパが笑顔でいられるなら…。 「ほんとは…家事やるの嫌で二人して私を呼び戻したんじゃない?」 ニヤリと笑って見せた。 「ばれてたか?実はな、健人の奴…まったく手伝ってくれないから。」 「フフッ。」 何もかも、健人パパは元通りにふるまってくれた。 私の為だとわかっていたけど、その優しさや笑顔が私を一層苦しめていた。 …私、ちゃんと笑えてる? 今日も何度、自問自答したか…。 「アイ?はあ…よかった。」 健人は帰ってくるなり、私を見つけ健人パパが見ているにもかかわらず私を抱きしめていた。 「ちょっと?健人?何放して…もう!」 私は彼から離れ、健人パパの視線を気にした。 「どこ行くんだよ。」 また私は彼に抱きしめられると、健人は私の唇を重ね私を黙らせた。 「フッ、真っ赤になって…可愛いな。」 「かっ…可愛いつて。」 私にどうしろって言うの? 「怒ったのか?かってに決めたから?」 「…。」 私は何も答えず部屋にはいった。 制服を脱ぎ、私は夕飯の支度を始めた。 …家政婦?そう思ったらいいかもしれない。 想いなんて、邪魔だった。 好きだといったら… 大事な人がいなくなる。 「さて…。」 健人がキッチンに来るなり、手を洗いだした。 「どうしたの?もう少しかかるけど…。」 「手伝う、少しでも一緒にいたいから…。」 「ちょ…。」 「あのおっさんの事は気にすることない。」 気にするし。 健人は楽しそうだった…私はこんなにも苦しいのに。 「はあ。」 「アイ?どこか気分悪いのか?やっぱり…病院。」 「もう!やっぱり無理!」 これが…ずっと続くのかと思うと。 「アイ?」 「気安く呼ばないで…。」 「アイ?ごめん…だけど、一人になんていさせられない。」 健人の胸に飛び込んだら…私、どんなにラクなんだろう。 ドラマや映画、漫画で描かれそうな私たちの関係だけど…。 うまくいきっこない! 彼の彼の邪魔にだけは絶対なりたくない。
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