嫉妬という感情

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あ、そのジッポ……! あたしがプレゼントしたものだぁ。 そんなことを思いながらじっと見つめていると、口許がニヤけてくる。 そんなあたしの視線に気付いたのか、俊ちゃんがこっちを見てきた。 そしてあたしの耳許に口を寄せる。 「大切に使ってるぞ」 囁くようなやさしい声で言ってくるから、心臓がトクンと音をたてて、頬がじわりじわりと熱くなってくる。 「あーあ、なんかあちーなぁ、この席。……なぁ海斗?」 「はは、そうっすね」 そんな冷やかしの声に、さらに頬が熱くなるのを感じながらも、あたしは煙草を咥えている俊ちゃんの横顔に見惚れていた。
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