149人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから俊ちゃんはあんまりしゃべらない。
すたすたと歩いていく俊ちゃんに、必死に付いていく。
でも足の長さが違うから、そんなに速く歩かれると全然追い付けなくて。
それにいつもは手を繋いでくれるのに、今は握ってもらえない。
もうやだ。
だんだん歩くのがゆっくりになって、そのうち足を止めた。
それでも俊ちゃんはあたしに気付かずに、すたすたと歩いていく。
何で気付かないの?
涙がぽろぽろと溢れてきた。
何だか胸がぎゅうっと掴まれたように苦しくなって、すぐ傍にあった電柱の横にしゃがみこんだ。
このまま置いてきぼりになっちゃうのかな。
最初のコメントを投稿しよう!