嫉妬という感情

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あれから俊ちゃんはあんまりしゃべらない。 すたすたと歩いていく俊ちゃんに、必死に付いていく。 でも足の長さが違うから、そんなに速く歩かれると全然追い付けなくて。 それにいつもは手を繋いでくれるのに、今は握ってもらえない。 もうやだ。 だんだん歩くのがゆっくりになって、そのうち足を止めた。 それでも俊ちゃんはあたしに気付かずに、すたすたと歩いていく。 何で気付かないの? 涙がぽろぽろと溢れてきた。 何だか胸がぎゅうっと掴まれたように苦しくなって、すぐ傍にあった電柱の横にしゃがみこんだ。 このまま置いてきぼりになっちゃうのかな。
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