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しばらくして、目の前に人の気配がした。
「陽菜」
「……」
「陽菜、悪かった」
「……」
「陽菜?」
俊ちゃんが顔を覗き込んできたのがわかったけれど、膝に顔を埋めたままあげられなかった。
「陽菜、ごめんな」
「……何に謝ってるのか、わかんない」
「……」
「あたし何かしたの? 言いたいことがあるなら、言ってくれなきゃわかんない。……置いていかないでよっ。……すたすた歩いていかないでよっ」
最後は涙が交じって、うまく言えたかわからなかった。
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