プロローグ

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 海と空の境目は線を引いたようにオレンジに染まり、空は紫に近いブルー、水面は火の海に見えてしまうような夕焼け色をしている。  吸い込まれるようにその景色を見ていると、ゆっくりと太陽が沈んでいき、辺りが徐々に紺色に染まっていく。  いつの間にか真っ暗になってしまった砂浜で空を見上げると、無数の星がきらきらと瞬いていた。  シーンと静まり返ったこの場所で、耳に届いてくるのは静かに打ち寄せる波の音だけ。  人ひとりいないこの場所で、私は何をしているのだろう。  誰を待っているのだろう。  時折振り返りながら、来るはずのない姿を探す自分がとても滑稽に感じる。  私は、前に進むって決めたんだ。  その場で立ち上がってじっと海を見つめたあと、大きく深呼吸をしてから海に背を向けて、振り返ることなく歩き始めた──
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