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「タビィ、怒ってない?」
とアキラはその夜ベッドの中で私の顔を伺う。
「お父さんと示し合わせて、
パーティー会場でプロポーズしたことですか?」と睨んで見せると、
「だって、梨花ったら、ちっとも本気にしないからさ…」
とちょっとだけ反省している声を出すので、
「結婚するって自分で決めるのが怖かった。
年上だし、いつ飽きられるかとか、西条家の嫁ができるのかとか…
考えると、決心できなかった。
でも、たくさんの人がいる前で、アキラがプロポーズしてくれて、
私を妻にする決心があるんだなって。
この先色々あっても、一緒にいるつもりなんだなって、そう思った。
だから、いいやって。
そう思えた。」と笑うと、
「俺は幸せになるつもりでプロポーズしたんだよ。
これからも楽しいことで溢れてるって
梨花となら大丈夫ってそう思えるんだ。
根拠のない自信。
でも、そういうのを信じても良いだろ。」
と言って、私を深く抱きしめ、
「梨花を愛してる。それだけはわかってるんだ。」と耳元で囁いて、深く唇をつける。
それだけわかってればいいよ。
「アキラを愛してる。」
私もそれだけはわかっている。
何度も繰り返されるくちづけの合間に甘く囁いた。
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