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武蔵小金井駅で中央線を降りた浩也が自宅
マンションに帰り着くと、見覚えのある
顔がエントランスから出て来た。美月だ。
これで二回目である。彼女がフランス出張
中の浩也の部屋の管理を担っていることは
事実だが、帰国中、それも本人が鍵を
持っているのに尋ねて来るのは合点が
いかない。
浩也は何気なく美月に近づき、彼女の前に
立った。目の前の人影を見上げた美月は
驚いて立ち止まった。
「西島さん…。」
「この前も来てたよね。」
「…。」
「部屋に行こう。」
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