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「…。」
「少し待ってろ。俺は向こうの部屋にいる
から。」
「…はい。」
いつまでも会社仕様でいたくない。浩也は
寝室でTシャツとデニムパンツに着替え、
ベッドに横になっていた。自分の部屋
なのに自分の部屋ではないように感じた。
美月がいるからだ。恐らく自分以上にこの
部屋を知っている女の存在が浩也を苛立た
せた。
雨は一向に止まなかった。地面に叩き
つける音が閉めた窓からもはっきりと
聞こえる。
「あの、西島さん。」
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