96人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアの向こうで美月の声がした。浩也は
立ち上がってドアを開けた。
「やっぱり帰ります。」
「風邪ひいても知らねーぞ。」
「はい…。」
美月は浩也に背を向けた。そして、歩き
かけて呟いた。
「私、魅力ないですか。」
「え?」
浩也が聞き返すと美月は振り返った。
「だから、女としての魅力、ありま
せんか。」
「部下に手を出すほど不自由してないよ。」
「そうじゃなくて―――、私が手を出し
たいんです。」
最初のコメントを投稿しよう!