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坂本は身体の欲求を満たす為のセックスを
望んではいないだろう。少なくとも自分の
心を満たしたいはずだ。だけど、俺は
特定の女を作る気にはならない。ましてや
直属の部下なんて、結末は見えてる。もう、
うんざりなんだよ。別れるとか別れない
とか。
「…今夜だけでいいんです。」
「自分を安売りするもんじゃない。」
白々しい言い訳だ。だが、浩也は女と
約束を交わす気にはなれないのだ。
「…鍵、返します。」
「いいよ。俺がパリへ行ったら、また
おまえが管理するんだろう?」
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