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美月の瞳が揺れた。いくつもの感情が湧き
上がったが、自分の想いは成就しないと
気づいたのか何も言わずに部屋を出て
行った。
浩也は大きなため息をついた。彼は籤を
引くようにひとときを共に過ごす女を決め
て、欲望を満たすだけでいいのだ。だから、
心を求められてもリクエストには応じられ
ない。
予定より早く輸出手続きが終わり、浩也は
パリに戻る。八王子工場の鈴木社長に挨拶
し、その足で吉祥寺オフィスへ行き大石
部長にパリへ戻ることを報告した。
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