ごくごく普通の男友達

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 だけど、時の流れというのは早いもので。  時の流れによって、好きだった人を忘れてしまうのも良くあることで。  そして、仲の良かった人と疎遠になっていくのも、まぁ良くあることで。  仕事の都合上、隣町に引っ越すことになった私は、呆気なくシンを忘れ、大河とも疎遠になった。  あの頃、きっと心のどこかで思っていた、本当は大河じゃなくて、シンに連絡をしたかったという思い。  だけど今となっては、シンよりも大河と連絡を取りたい。  中途半端な恋心が積み重ねてきたものよりも、友情が積み重なって出来たものの方が大きかったのだろうか。  真意は私にもよく分からなかった。  ただ、気付いたら引っ越してから3年は経過していて、私は大河のことをあまり思い出さなくなってしまった。
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