第4章 不可視の花冠
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異国の花嫁は腹に純潔を示す花紋を描いて夫を迎えるらしい。 薬草を煮詰めた染料も筆もここには揃っていない。 だから、ルフェスには何も見えないし何を示すかわからないだろう。 衣服の裾を口に咥え、しっかりとたちあがったものを晒しながら、指で記憶の中の花紋を描いていく。 ここに注いで欲しいと言葉にしなくても身体を寄せてくれた利口な竜の頬にパルは思いを込めたキスをのせてやった。
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