189人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前に負担をかけるような行為ならしたくなかった。パァルを苦しめてまで、欲に溺れようとは思わない。竜は何かを守ろうとする生き物だと何かの本に書いてあった。俺はお前を俺を含めたすべてから守りたい。お前が心から願えば、どんな刃も意味をなくす竜の鱗は剥がれ、簡単に首も落とせるだろう。俺の力はお前には及ばない。それでも、俺はパァルを守護したい」
疑いを晴らしただけでなく、真摯な愛をいくらでも投げかけてくれる竜の首をパルは両手で優しく包む。
パルは彼の最愛の者で、竜の馭者で、喜びを分かち合う恋人でもある。
「……お前以外の竜も、こんな風にロマンチストなのか?」
「どうだろうな。竜と恋した友達がいるエンレイには聞いてみたらどうだ?」
笑いながら言うルフェスの首を絞める真似をして、キスをすると彼のペニスがまた膨張して果皮のような緋色に染まっていく。舐めたくてたまらない色と形だと思ってしまうのは、彼が愛しいから。
「純潔の花冠の絵も本で見つけた。教養は人生を楽しむ武器になると言うのは本当だな」
指先で腹に花の紋を描いていくルフェスの手にパルも手を重ねる。
交わるたび相手を染めていく竜と祝福という形で力を上書きする馭者が揃えば、望み通りに奇跡が起こせる。
甘い匂いがすると吸い付いてきた乳首から蜜や乳が垂れていても不思議ではない。
寝台の上での言葉遊びが盛り上がると正常な判断能力を欠いていく。
子ではなく、種をそのまま体内で育て自分の身体を養分にしてしまう未来をパルは想像する。
最初のコメントを投稿しよう!