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花に埋もれる竜の姿のルフェスは美しいだろう。朽ちた亡骸に根を張り生きる愛の創造物が咲かせる花は見事だろう。
パルの寿命は竜の体液の影響で伸びるのかもしれない。けれど、本来持っていた人としての部分は先に喪われる。
それを恐れなければならないはずなのに、瑣末なことに思えてしまう。
「パァル、まだ何か気になることがあるのか?」
ぼんやりとしていたパルに上から声が降ってくる。心地よく響くのに、艶やかでもっともっと彼が欲しくなる。
潜り込んで来たペニスを取り込もうと蠢く奥は、まだ誰の肉も割り開いていないもう片方も求めている。
「……ん、っ……ふあ……ン」
喘ぎとしては色気のない部類の上擦った声に、ルフェスが嬉しそうな顔をする。まだ暴かれていない顔や声は幾つもあるのだと焚き付けてやりたいのに、繋がったままでの発声は出来そうになかった。
足を抱えられたまま繋がる体勢では、分かれた性器が確認出来ない。
遠慮はいらないと告げると気遣いをどこかにやったルフェスは知識も技巧も忘れたようで、経験の少ないパルには快感が拾えない。痛みや不快感の逃がし方を自分も事前に学べば良かったと今更思う。
それでも、深くまで交わっている実感に心は満たされていく。
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