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「か、金を出せ!」
レジの向こうに立つ女性店員は動揺しているのか動かずにいる。
「早くしろ!
レジを開けろ!」
女性店員はおぼつかない左手でレジのボタンを色々と押すが中々開かない。
「時間稼ぎするな!」
拓郎は苛立ち、反対側からボタンを滅多打ちする。
チン!という音とともにレジが開き、
「なっ……」
中に入っているのが小銭だけだと気付き愕然とした。
「この店の売り上げ少なくて……」
店員は下を向きながら告げる。
右手の筋肉が僅かに動いたのを拓郎は見逃さなかった。
警報ボタンを押すつもりか?
カラーボールを投げつけるつもりか?
拓郎はカッターを女性店員に近づけ、
「何をするつもりだ!」
身構えながら尋ねた。
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