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「今日はなんかやたらとキチガイの客が多かった...。みんなが何かと理由を付けてはこのコンビニを貸し切らせろと言ってきた。」
らしい。
どうやら20人そこらの人数では収まらないようだ。
さて、目下問題は目の前の客である。
見たところヨボヨボの爺さんだが、先ほどから何度も何度も1時間、コンビニを貸してくれ!なんなら代わりに店番でもするから!としつこいくらいに懇願してくる。
「店ちょ.....っ!」
呼びかけて気づいたが、本日店長はバカンスに出かけており不在である。
ガックリと項垂れるヨシヒコを他所に、ほかの客がいないのをいいことに、この爺さんと来たら随分大胆な行動に出た。
「じゃあ、お前さんが出ていくまで、わしゃここを動かんぞい!!」
なんと、あろう事かコンビニの出入口に鎮座しやがったのである。
「おい!爺さん!なんなんだよ!」
客だからって許されることじゃねぇぞ!とヨシヒコは、その禿頭に残された最後の一本の如く頑として動かない様子の爺さんに掴みかかった。
「な、なにするんじゃ!」
肩を掴まれて一瞬怯んだ様子の爺さんだったが、口から入歯を発射し慌てて反撃にでる。
「うわっ!」
入歯に腕を噛みつかれて思わず怯んだヨシヒコの手を爺さんは力いっぱい振り払った。
「どうかされましたか?」
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