お客様は神様ですか?

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二人のただならぬ様子を見ていたパトロール中の警察官が表の駐車場から駆け寄ってきた。 「お巡りさん!いいところに!この爺さんと来たらもう.....あれ?」 爺さんがいない!? 今の今までこの手で掴んでいたのに! ついでについ今しがたまで噛み付いていた入れ歯まで消えている。 「...お疲れ...なんですかね?」 警察官は明らかに憐れむような目でヨシヒコを見ている。 「いや...!...あの...」 爺さんは確かにいたんだ!と言いたかったが、全くその形跡がない。それなのに居たと言い張っては『頭のおかしい人』のレッテルを貼られかねない。 いや...もう半分貼られていそうだ...。 「そうっすね!いやぁ...もう、つい暇でうたた寝しちゃったんすかねぇ!...ハハハ。」 ぎこちない笑い声に、警察官は気の毒そうな顔をしながら去っていった。 「ったく、あのジジイ!次来たら覚えてやがれ!!」 ヨシヒコは憤慨を露わにしながら邪気を払うように出入口にモップをかけた。 ついでに塩でもふっておこうかとした時に、次の客が現れた。 「ピロリローン♪ ピロリローン♪」 「いらっしゃいませ.....」 振り返って、一瞬にして固まった。 黒いヘルメット、黒いライダースーツ、黒いボストンバッグ。 まるで絵に書いたような強盗の図。 「へっ?」     
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