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ちょうど今レジの金をまとめ終えたところだ。
「違う!そうじゃないー!!今すぐアンタの着替えとか、この店の貴重品とか、とにかく大事なもんをこれに詰めろ!!」
「え?」
金だけじゃなくて、俺の私物までとろうっていうのか!?
なんて奴だ!!
とも思ったが、しかし、従わなくては命の保証がない。
ヨシヒコはバックを受け取ると素早くスタッフオンリーのバッググラウンドへ駆けて行った。
「いそげ!」
「キャー!!!」
強盗の急かす声が店内に響くと、明らかに異形なその様を見て女性たちの悲鳴が上がる。
「やばっ!!」
気づいてしまったか!とヨシヒコはとりあえず自分の着替えと、店のスペアキーやら店長の私物やら、とにかくいろいろと大切そうなものをバックに詰めてレジへ戻ってきた。
「来たか!さぁ後はレジの金を詰めてさっさと外に出てなるべく遠くへ走れ!」
「わっ!わかったよ!!」
強盗の焦りが伝わって上手く手が動かない。
「早くしろ!」
「強盗よ!!」
「110番!!警察呼ばなきゃ!!」
店の奥で腰を抜かしながらも、女性たちは言う事だけは立派だ。
「そこで何してる!」
強盗が女性たちの方へ走り寄った。
「キャー!!!」
なんという怪力!!女性たちの両脇を抱えた強盗は、2人を担ぎあげて店の外へ放り出した。
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