買い物強者

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「あのう、これ、賞味期限が切れちゃってるように見えるんですが……」 僕は、極力店員さんを刺激しないよう、責めているようには決して聞こえないようにジュースを指し示した。 レジにいた年配の女性は、ジュースを僕から奪いとった。 「こんなの置いといてくれたら誰か間違って買ってくれるかもしれないのにねぇ」 いやいや、イケナイだろう。 僕は呆然とした。 好きなジュースは他に見あたらず、緑茶も何だか怪しいメーカーで、もう期限を確かめる勇気は出ない。 冷蔵庫はガラガラに空いていて、半分は電源すら入っていない。 近くには他に店らしいものはない。 コンビニみたいな見かけだったので入ってみたが、駄目だこりゃという言葉が脳裏を過ぎった。 仕方がないので、数少ない酒類の中から軽い発泡酒を選び取る。 「あんたそれはできたら置いといて。うちの人の晩酌用なんだわ。そっちのカップ酒なら買い放題だわ」 僕は昼間から大酒を飲む人になってしまったが、他に選択肢はないらしい。
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