妄想痴漢列車

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「ごめん正木、俺…」 「あ……」  いや、うん。どっちかと言うと俺がごめん。  俺一人を個室に押し込んだ和樹が、ドアの前でなんとも言えない小さな声で言う。  ってか、コイツ何も悪くないし。 「ごめん、助けてやれたら…」 「まぁ、大丈夫だよ。俺男だし」 「男だからって関係ないだろ!」  あぁ、うん、まぁ、ねぇ…  でもかなり、興奮した自分もいるんだ。どうしようもない変態の俺もいるんだ。  あれで和樹がいなかったら、俺は満足にあの状況を楽しんだんだろう。そう思う。 「今から警察…」 「いや、いいよ。恥ずかしいし、それに犯人もいないんだから信じて貰えないって」 「でも!」 「いいから。あの、それよりも俺…その…」  制服のズボン、ちょっとまずい。  慌てて後始末してるけど、パンツの中がグチャグチャ。  我ながらどんだけ気持ち良かったんだよって悲しくなる。 「あっ、ちょっと待ってろよ!」 「え! おい!」  和樹が駆け出していって、俺は一人トイレの中。あの、これはどうしろと…  でも、やっぱり俺ってダメだな。思いだしたらまだ熱くなってきた。  しっかり反応する息子よ、忠実過ぎる。     
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