妄想痴漢列車

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 翌日、和樹が俺を迎えにきて、俺達はデート……で、ガチのホラーとか地獄でしょ!  忘れてた、和樹ってホラー大好きなんだ。しかも洋物のゾンビ映画とかじゃなくて、邦画のヒタヒタ迫ってくる系のやつ。  叫ぶのもできなくて、でも怖くて、俺は指の隙間から映画を見て、音に驚いて和樹の腕に抱きついたりしてた。  そして和樹はそんな俺の腕をそのままにさせてくれて、むしろ触れてきた。 「昔っから、こんなにダメだったか?」 「うっ…昔よりダメになった…」  バーガーにコーラとポテト。定番な感じで昼飯食べながら、俺は顔を真っ赤にさせる。  コイツに比べれば俺は小柄だよ。でも男だよ! 「亮二くんって、女の子に見えるね」なんてお世辞にも言えないよ!  それが……産まれてたの子鹿みたいにプルプルして和樹の腕にしがみついて出てきた。  正直笑われた。 「くくっ」 「笑うなよ!」 「ごめん。ただ、もう可愛いからさ」  言われて、俺は勝手にドキドキした。  「可愛い」なんて、平気で言うなよ。  俺、お前の事おかずにして抜いてる変態だぞ。 「可愛くないし」 「そうか?」 「…変態だし」  小さな声で呟いた。  だって、昨日の見たじゃん。  俺、完全アウトだったじゃん。  今の状況が俺的にはむしろ異様なんだけど。  和樹を見たら、なんか困った顔で笑ってた。笑う所違うから、これ。 「あの、さぁ。気使ってるなら、いいから」 「亮二?」 「俺…その…多分どうしようもない奴だし…」  周りをそれなりに気にして小さな声で言う。  そんな俺の様子に気づいたらしい和樹が、バーガーの残りを口に放り込む。 「次行こう」 「次?」 「カラオケ」 「カラオケ!」  より個室、より密室。  俺は焦ったけれど、今日の和樹はすごく強引で、俺は結局従うしかなくて残りを口に放り込んでコーラで流し込んだ。
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