妄想痴漢列車

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妄想痴漢列車

 帰宅ラッシュの一両目、一番乗降口。  その端っこで、俺は後ろから誰かも分からない男に体を密着させられている。  男の硬い指が脇を通って前に回って、それと分からず制服シャツの上から乳首を捏ねくり回している。  その動きに俺は恥ずかしくなりながらも耐えていて、でも徐々に気持ち良くなっている。 「……っ」  ツンと尖った乳首が男の指に引っかかって、捏ねられていたのがやがて摘ままれて、キリキリッと力がこもる。その鋭い、痛みすら感じる刺激に息が漏れる。  徐々に大胆に、男の腰が俺に密着してきて上下している。  男も興奮しているのか、ズボンの中で勃起させている。  首筋にかかる荒い息づかい。わざとスライドする腰使い。  俺の前も電車の壁に押しつけられて自分の下着やらに擦れて興奮している。  あぁ、このままじゃ…!  恥ずかしさと、なんかまずい事してるっていうドキドキと、だからこその興奮でのぼせ上がりそうになっている。  あと少し、あと少しで…。  そんな切羽詰まった所までいって……俺の妄想終了。車内アナウンスと共にドアが開いて、俺も波に呑まれるように外に出た。
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