第2章 以心伝心

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国語の時間だというのに、 あいつが隣の雨宮とひそひそ声で喋っていることまでもが耳に届いた。 席は離れているのに、まるですぐ背後で喋っているかのように近くに聞こえるのだ。 なんだこれは! (なんだこれは! これじゃ、まるであいつのことが大好きなストーカーみたいじゃないか!)と、 心の中で叫んだときだった。 ガタン!! と椅子が倒れる音がしたので、反射的にそちらを振り向くと、 平蔵が驚いた顔をして突っ立っている。 しかも視線がなぜか私にまっすぐ突き刺してくる。 (なんで、あいつ。私を見てやがるんだ! こっちを見るなぁぁぁ!!)
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