第2章 以心伝心

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先生は皮肉ぶっているが、教室中の生徒たちが普段とは様子が違う人気者の鼻血ですっかり落ち着きを失っていた。 平蔵は斜め上を見上げながら、周囲から差し出されたポケットティッシュでハナセンを作ってもらったものを、鼻の穴に突っ込んだ。 私はそれを見て (…クックック、ざまぁない)とほくそ笑んだとき。 再びあいつは、私の視線に絡みついて来た。 目と目がしっかりと合ったとたん、不思議なことが起きた。 頭の中で平蔵の声がした。 【おまえ、丸聞こえだよ】 私はまた頭が真っ白になった。
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