第4章 滑らかなくちどけ

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でも、平蔵はまんざらでもないみたいに嬉しそうに頭を掻いている。 私はその手を掴んで下に振り落した。 平蔵はキョトンとしている。 「そんな茶番は他所でやれ。ここは保健室。健全な生徒達の憩いの場なのよ」 先生は坦々とした口調で私たちをたしなめながら、ハナセンをコットンで作ってくれた。 「血が止まるまで安静にしてなよ。 私はちょっと資料作りがあるから、職員室にモノを取りに行くから」 平蔵は右手を元気よく上げて、「はーい」と返事をした。
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