第1章 クラスメイト

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普段はあんなに表情豊かで顔に気分丸出しの平蔵が、 今日は朝から無表情で座っているなんて、槍でも振ってくるんだろうか。 さっき、教室に入ったときの違和感はあいつのせいで間違いなさそうだ。 奥田平蔵という男は長く伸ばした髪を後ろに束ねて、 わざとだらしないようにYシャツを着てボタンを外している。 その下に着ているTシャツが、 これがまたとんでもなく派手なデザインのものが多い。 今日は白いTシャツに毒々しい薔薇がびっしりと描かれたプリントシャツだった。 一体、どこでそんなデザインの服を買っているのだろう? だらしなく着ると言えば、ズボンだ。 時々、ガラパンがはみ出ているけれど、あれも着こなし術なのだと主張しているあたりが、おつむの目出度さを強調しているとしか思えない。 あいつを取り巻く連中もよく似た趣向のお仲間で、俗にいう不良生徒っていうやつなのかもしれない。
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