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トイレに飛び込んで用を足すと、
手を洗ってハンカチを取り出しながら廊下に飛び出すように出た私は、
来たときと同じ速さで教室へと戻ろうとした。
すると、背後から突然声がかかった。
その声はまさかの、奥田平蔵だ。
「おい」
反射的に立ち止まった私は、
振り返るのをやめてまた歩き出した。
振り返ったら今までの意地とプライドが無に帰すだろう。
「おい!って言ってるだろ!」と、さらに声がかかった。
私はなぜか、どうしようもなくなって、
振り返ってしまった。
するとあいつは思ったよりも近くで私を見降ろして来た。
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