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「なかった。だから、気になったんだよ」
「とにかく!私は声に出してなんかないの!もう、話しかけないでよね!」
私はイライラを抑えることが出来ず、つい声を荒げながらとっとと教室に飛び込んだ。
あいつはまた無表情になって、後ろのドアから教室に入ると自分の席に大人しく沈み込んだ。
私の心臓はドキドキと早鐘を打っている。
急ぎ足のせいでふくらはぎが吊りそうだ。
イライラが収まらない。
教室には他に生徒が40人近くもいるというのに、
あいつの、平蔵の声だけがなぜか耳に入ってくる始末だ。
私はどうしちゃったんだろう。
忌々しい!!
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