第2章 以心伝心

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「なかった。だから、気になったんだよ」 「とにかく!私は声に出してなんかないの!もう、話しかけないでよね!」 私はイライラを抑えることが出来ず、つい声を荒げながらとっとと教室に飛び込んだ。 あいつはまた無表情になって、後ろのドアから教室に入ると自分の席に大人しく沈み込んだ。 私の心臓はドキドキと早鐘を打っている。 急ぎ足のせいでふくらはぎが吊りそうだ。 イライラが収まらない。 教室には他に生徒が40人近くもいるというのに、 あいつの、平蔵の声だけがなぜか耳に入ってくる始末だ。 私はどうしちゃったんだろう。 忌々しい!!
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