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いけないいけない。少し気持ちを聞かせてもらえたからってすぐに調子に乗る!
上司でもある、二神さんの横で何気を抜いてしまってるの! まだ、仕事は終わっていない!
私はシートに凭れるのをやめて、背をしゃんっと、伸ばし直した。
「いや。無理しないでいいよ。慣れないことして緊張しただろ。これから一時間かけて帰るんだし、リラックスして寛いで」
「は、はい…」
…そう言っていただけるなら少し、リラックスしてみようかな…。
でも、二人だけの車内。仕事が終わって一息つきたいところだけど、別の緊張が強まった。
…やっぱり完全に寛ぐなんて無理!
できないものは、できないのであります!
「さっき支配人に電話したら、うちのブライダルフェアは問題なく終わったって。成約も僕が出る前に三本決めたし、今日はこのまま直帰してもいいとお許しが出た」
「あ…そうなのですね! よかった」
「よかった?」
二神さんは食い気味に私の言葉を拾い、繰り返した。
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