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高速を降りたことで速度が落ちた。車窓の外では、生まれ育った街並みがゆっくり後方へと流れていく。
…昨日に引き続き、今日は私にとっていろいろ気付かされた、特別な日になった。
私は思い出すことができたプランナーを目指した時の初心を、もう二度と忘れないように、街並みと一緒に脳裏に強く焼き付け続けた。
「今日のラビータ迎賓館、どうだった?」
高速を降り、もう数十分で我が家というところで、二神さんは私の感想を求めるように聞いてきた。
「え。えっと…。とても素敵でした! やっぱりあのまっすぐな階段は…シンデレラの物語に出てくるお城みたいで憧れます」
「やっぱりそうか。女の子は好きそうだよね」
二神さんは前を向いたままくすりと笑った。
「バンケットも、白を基調にしてとても開放感がありましたし、特別な空間を思わせる作りはさすがだなって」
「美崎さんもやっぱりああいった会場の雰囲気は重要?」
「勿論重要ですよ! あと、今日は見られなかったですけどドレスの種類も多いところがいいです!」
「そうか。…プランナーの百瀬さんは? どうだった?」
ちょうど前の信号が赤に変わり、私の方に首を振りながら二神さんは質問してきた。
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