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友達の友達にTちゃんという子がいました。
彼女は担任の先生が大好きで、家庭訪問をとても楽しみにしていましたが、その直前に起きた交通事故で不幸にも先生は亡くなってしまったそうです。
突然のお別れに、Tちゃんが嘆き悲しんだのは言うまでもありません。
そんな深い悲しみの中、本当なら先生が家庭訪問に来るはずだった日になりました。
プルルルルルルル…。
お母さんは買い物に出ていて、Tちゃんが一人で留守番をしていると電話が鳴ります。
ショックのあまり寝込んでいたTちゃんでしたが、誰も他にいないので仕方なく電話に出ました。
すると……
「もしもし先生です。今、あなたの家の1km前まで来てるから、もう少し待っててね」
と、聞き憶えのある声でそう告げるものでした。
先生の声だ! ……でも、先生は亡くなったはず……じゃあ、誰かの悪戯? こんな悪趣味な悪戯許せない!
一瞬、うれしく思うTちゃんでしたが、すぐにそう思い返すと、怒って乱暴に電話を切りました。
ですが……
プルルルルルルル…。
少しすると、また電話が鳴ります。
「また電話?」と少々不満げにTちゃんが出ると、今度も先程と同じ声の主からで、
「もしもし先生です。今、あなたの家の500m前まで来てるから、もう少し待っててね」
と告げます。
「もう、いい加減にして!」
なんともひどい悪戯に、激昂したTちゃんは思わ怒鳴って電話を切りました。
プルルルルルルル…。
しかし、また少しすると再び電話が。
「もしもし先生です。今、あなたの家の100m前まで来てるから、もう少し待っててね」
なんだか怖くなってきたTちゃんは慌てて電話を切りましたが、その後も電話はかかってきます。
しかも、だんだんと距離を縮めながら。
プルルルルルルル…。
「もしもし先生です。今、あなたの家の50m前まで来てるから、もう少し待っててね」
プルルルルルルル…。
「もしもし先生です。今、あなたの家の玄関の前まで来てるから、もう少し待っててね」
ついにその電話の声は、Tちゃんの家に着いてしまいました。
そして……
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