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「見たー?!TWINSの一人が答辞読んでたよねー!」
「見たみた!あの美少女でしょ?」
「あれ?もう一人は?」
「さっき廊下で女の子に囲まれてたよー」
TWINS?
あの答辞を読んでた美少女って、有名な子なのかな?
入学式も終わり、各自教室に向かうと、既にさっきの美少女の話題で持ちきりになっていた。
「はじめまして!」
予め割り振られた自分の座席に座り、頬杖をついてそんな様子を眺めていると、突然視界にツインテールの女の子が現れた。
「!は、はじめまして・・」
私が返事を返すと、その子はニコッと笑い、こう続けた。
「私、中島 美雪!あなた高校からこの学園に入ってきた子・・だよね?」
「うん。そうだよ。」
「だよね!あ!ねぇ名前は?なんていうの?」
あまりの勢いのよさに思わず身を仰け反らせて私はおずおずと答えた。
「橋本涼風です。」
「涼風!私の席と前後だから、仲良くしてね!」
「うん。こちらこそよろしく。」
その子、美雪ちゃんはよく見ると色白で長いまつげに大きな瞳を持った美少女だった。
それにツインテールが相まって・・・
「可愛い・・」
「へっ?何か言った?」
「ううん!なんでも!」
危ないあぶない。
すぐ思ったことが口から出ちゃう私は、慌てて口元を塞いで誤魔化した。
この学園に来て初めての友達。
それがこんなに可愛い子なんて、嬉しいな。
「あれ?涼風の隣の人、まだ来てないのかな?」
美雪ちゃんに言われ隣の机に視線を移す。
「そういえば来てないね。」
「名簿、見てみよっか!」
教卓の名簿を見に行こうと美雪ちゃんが立ち上がった瞬間、教室に悲鳴が響いた。
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