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アパートに到着し、自分の家に荷物を置くと私は大きく深呼吸をして双子の家に歩を進めた。
いざチャイムを鳴らそうとした瞬間、突然勢い良く扉が開いた。
「!!!!!!!」
「!!・・なんだお前か。」
相変わらず冷ややかな目で私を見る伊織ちゃん。
「あっぶないじゃない!もっとそっと開けなさいよ!」
「お前に関係ないだろ。つーかどいて。ジャマ。」
私の剣幕を気にも止めずに、どこかに行こうとする。
「ちょっ・・!」
そんな私たちのやり取りを見てたかどうなのか、部屋の奥から伊吹くんの声が聞こえた。
「あ!涼風ちゃん!待ってたよー!」
「あの、伊吹くん・・伊織ちゃんいなくていいの?」
私の発言に、伊吹くんは困ったように笑うと小さく頷いた。
「うん。今日は俺たちだけで話そうか。」
「そういう事だから。」
伊吹くんの一言をキッカケに、伊織ちゃんは私の肩をグイッと右手でどかすと少しできた隙間から出て行った。
「ちょっと!・・ほんとになんなのよ。」
「ごめんね。アイツ、誰にでもああだから、気にしないで?」
「学校じゃ随分愛想がいいのにね。」
そう言う私に伊吹くんは苦笑いをした。
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