波乱の予感

2/4
前へ
/602ページ
次へ
あれから数日間、私は色んな曲を聴いていた。 女の子の恋心か・・・ 私も今までそれなりに好きな人がいたりはしたけど、正直そんなに本気になった事はなくて、今聞いてるような切ない恋心ってそこまでまだ分からない。 伊吹くんは・・・分かるのかな? ふっと伊吹くんとカヨさんの姿が目に浮かぶ。 ほんとにお似合いな二人だったもんな。 将来を誓い合ってるなんて、理由がなんであれ羨ましいな。 あれ? そういえば、伊吹くんに許婚がいるのなら、伊織ちゃんにだっているのかな? それっぽい様子はなさそうだけど・・・ そんな事を悶々と考えていたら、突然耳からイヤホンを外された。 「!!伊織ちゃん?!」 顔を上げると、そこには何やら怒っているような表情の伊織ちゃんがいた。 「ちょっと来て。」 笑顔で言うけど、滲み出ている裏腹な気持ちが見て取れて私は怖気づいた。
/602ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加