波乱の予感

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「涼風―!どこ行ってたのー?」 席に着こうとすると、いつかの時のように突然目の前に現れる美雪ちゃん。 「!!びっくりした!あ、うん、ちょっとね・・」 伊織ちゃんに呼び出されてましたーなんて言える訳もない。 「そう・・あ、あのね!さっき先生から聞いたんだけど、うちの学園って入学してすぐに親睦を深める為に、修学旅行があるんだって!」 「へぇ~すごいね!」 「今日のホームルームで詳しい話があるらしいんだけど、楽しみだよねっ!」 「うん!そうだね!」 ニコニコ話す美雪ちゃんを見てると、さっきのイライラも忘れ私もつい笑顔になった。 「はーい、席つけー!はじめるぞ!」 先生の登場にざわめいていた教室が静かになる。 「何人か知ってるやつはいるかもしれないが、うちの学園は入学してすぐのイベントで修学旅行がある!」 先生の言葉に、知らなかった子たちがざわめき始める。 「それでだな、班決めなんだが、まだ入学して間もない時は色々な事を考慮して席順で決めている。」 へっ?! 席順?! 「やったー!涼風!一緒の班だねー!」 先生の言葉に美雪ちゃんは振り返ると、小さな声でそう言った。 「うん・・」 席順・・・って事は・・・・ 私は隣の席にチラッと視線を向ける。 「伊織ちゃんも同じ班だし!すっごく楽しくなりそう!」 ウキウキの美雪ちゃんの声に、伊織ちゃんは満面の笑みで答える。 「そうだね。楽しみ。」 そう言い美雪ちゃんから私に向けた表情に私は苦笑いをするしかなかった。
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