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二十二歳の紀子は、電子関連企業に勤めるOLだ。
その日も通勤のため、私鉄電車に乗っていた。
始業が十時のため、ゆったり通勤だった。
が、同じ毎日の繰り返しに、少々うんざりしていた。
やがて紀子が降りる駅が近付いたので、先にドア前に立っている客達の後ろに立った。
そして駅に着き、降りる客につづこうとした時、後ろから、
「まだだよ」
思わず紀子が振り向いている間に、ドアが閉まって電車は走りだした。
そこには誰もいなかった。
(空耳? 仕方ないなぁ……。次の駅で降りよう……)
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