そこは私鉄の駅…のハズ

2/7
前へ
/7ページ
次へ
 二十二歳の紀子は、電子関連企業に勤めるOLだ。  その日も通勤のため、私鉄電車に乗っていた。  始業が十時のため、ゆったり通勤だった。  が、同じ毎日の繰り返しに、少々うんざりしていた。  やがて紀子が降りる駅が近付いたので、先にドア前に立っている客達の後ろに立った。  そして駅に着き、降りる客につづこうとした時、後ろから、 「まだだよ」  思わず紀子が振り向いている間に、ドアが閉まって電車は走りだした。  そこには誰もいなかった。 (空耳? 仕方ないなぁ……。次の駅で降りよう……)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加