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今日はこの画面を何度開こうとしただろうか。
毎日どころか1日に何度もログインしている投稿サイトだが、今日は夜になってもログインすらできなかった。
大規模なシステム障害が起きている様で、SNS上でもサイト利用者の一部が騒ぎ立てていた。
手狭なワンルームに深く、重い溜息が広がっていく。
たった一人しかいない部屋の中では、この不機嫌に付き合ってくれる人などは居ない。
オレは『おもっちん☆なう』というクリエイターネームで日夜執筆活動をしている新人作家だ。
それまで小説どころか芸術に一切触れてこなかったオレが、である。
きっかけは半年前の事。
思い付きで書いた小説を投稿サイトに載せたところ、びっくりするほどの大反響が巻き起こった。
評判が評判を呼び、その結果毎日のように10万20万のPVを叩き出し、評価点もほぼ全てが最高評価となった。
しかも止めどなく加点されていったものだから、あっという間にあらゆるランキングで1位を総ナメにした。
2位とでさえトリプルスコアを達成する偉業を成し遂げたのだ。
そんな状態でサイトの頂点に君臨し続けたある日、某出版社からこんなメールが届く。
『ぜひ、うちから本を出しませんか?』
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