お城とイケメン

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浴室だからそんなに深いはずはない。 そう思ったのが間違いだった。 ぶん投げられてもお湯に落ちたため大した衝撃はなく大人しく座ろうと思ったのに お尻が床に着いたら鼻まで漬かってしまった。 仕方なく膝立ちで沈み体を温める。 辺りを見回すともう既に狼さんは居らず広い浴場に1人沈む状態になってしまった。 しかも人家で。 俺は一体どうすれば… お湯の温度はだいたい38℃くらいで温いため浸かっていても逆上せることはないだろう。 だが服は身体に張り付いてるし出来れば身体も洗いたい。 さて…どうしたものか… 「Zergatik ez duzu arropa aldatu oraindik?」 突然声とともに扉が開いた。 ビクーーンと体が強ばる。 心臓飛び出るかと思った… 「か、勝手に入ってごめんなさい。そしてあなたは誰ですか?」 と、問いかけても返事はなくペタペタと足音だけが聞こえてくる。 そして湯気の中から出てきたのは長身のイケメンだった。 「Zergatik harrituta zaude? Ba al dago zerbait aurpegian?」 「あ、ごめんなさい…何言ってるか全然わかんないです…えーと…」 半ばパニックになりながらもジェスチャーでどうにかこうにか言葉が通じないことを伝えるとイケメンさんは何やら考え事をしてから自分を指して「ぜうぶ」と言った。 「ぜうぶ」 と復唱すると頭を横に振りまた言葉を話す。それを数回続けてやっとお許しを貰った。 名前のようだ。
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