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Side:ディウブ
侵入者ことあきらは出会った当初こそ俺のことを驚いていたようだが夕食を食べる頃には慣れてきたようでよく笑う姿が見られた。
獣化よりも人形の方が怖くないようで、乗せて連れてきた時の震えは見られなかった。
震えている姿も可愛らしかったがリラックスしてはにかむ姿はいっそうこう…グッとクるものがあった。
だが、川辺で見せていたキラキラと輝いた笑顔は今よりも少しだけ幼く見えて魅力的だった。。。
「アーキル、どう思う」
「静かだと思っていたら何を考えていたんですか」
ため息混じりで返事をされたが先程まで行っていた作業を中断し、簡単な作業ができるものを持って寄ってきてくれた。
口は悪いが良い奴である。
アーキルには姓がない。
それがどのような意味をもたらすのか。
彼が84という異例の若さで軍事学校に首席で入学してから武術・学術共に天才的だと、どこの出の者かと騒がれたらしい。
結果はどんなに調べようが姓なし。
散々な侮辱に陰険な眼差しを受けるもものともせず。
進級試験の際も卒業後、軍官として勤務したのは96の頃。
通常の倍速で卒業した時には
「武官になどさせずに文官にさせるべきだ」
という声が上がったほどだったとか。
その後も114で総合幕僚学校に入学。
そして現在は 統合幕僚副長として主に国の防衛や国境の整備、治安維持などの他時間が開けば俺の元での雑談も兼ねた小会議や部下の訓練などを行っている。
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