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ここのご飯はとてもシンプルだ。
何かでだしが取れたスープ。
肉と野菜を炒めた何か。
ステーキのようなお肉(かなり分厚い)。
すいとんのような芋餅のような食感のもの。
生野菜。
フルーツ。
シンプルのようで昼からステーキとか贅沢なんだけど、味がとてもシンプル。
でも日本人には欠かせない調味料。それ無しでは料理ができない調味料。
そう。醤油と味噌がないのだ。
何故そんなことを考えているのかというと、ここがもしかしたら日本でない。
どころか地球、そして俺がいた世界ではないのではないかという仮説が起きてぼーっとしている間に出来上がったからだ。
見たことのない土地や街並み。
聞いたことのない言語。
食べたことのない食材や料理。
よくよく考えれば分かることだった。
そうなると浮かぶことは今後についての漠然とした不安と恐怖。
昨日は突然の事態で動転し、テンションがおかしくなっていたため何が起きたも気にする余裕がなかった。
しかし、一夜明けて考える時間が出来、たーっぷり考え込んだ今の章の周りにはジメジメとした空気が流れていた。
そのせいで美味しいはずの昼食が箸の進まない食事になってしまった。
(何ですかこの重い空気は…見ていられません)
(あぁ、憂いをおびた顔も可愛い…)
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