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『ぁあ"っ…や……ぁ』
埃臭い体育館倉庫の中で特有の匂いと音を響かせながら“上映会”は始まっていた
あぁ…どうしてこんなことになってんだ…
『おらっ、ちゃんと顔見せろよ』
『ぎゃははははははっ マジ汚ぇ。キッモ!!』
『あーぁ、可愛そうに、住所も学校も、名前まで特定されてやんの。ネットって怖ぇー』
『もっとサービスしてやれよ』
『顔も晒されて特定されて、明日から生きてけねぇな』
『明日からもっとイイコトしてやるよ』
『休もうなんて考えんじゃねーぞ?』
『じゃ、明日もここでヤんぞ。よろしくな』
『あははははははっ』
“上映会”が終わってからやつらは早々に帰っていった…
「は ははっ、ははははっ」
もう生きてけない。
マンションの階段を登りながら俺は可笑しくなってずっと笑っていた
あれから下半身が痛い。
喉も声を出しすぎて痛いし目も腫れぼったい。
でも何より心が痛い。
もう、疲れた。
「さようなら世界。」
そして俺、鈴木章の人生は幕を閉じた。
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