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Side:アーキル
暗闇の中、蝋燭を持って廊下を歩いている私は、今日起こったことを思い返していた。
初めて会った少年は幼いながらも知的で、俺と違いしっかりとした教育がなされているという印象を受けた。
今朝は少し起床に時間がかかったがそれ以外は普通に時間を過ごしている。
食事のマナーや挨拶も出来ている。
何よりも頭の回転が早いのは助かる。
言葉が通じないというのはとても不便で、いくらジェスチャーで伝えようとも完全に相手には伝わらない。
軽い気持ちでグラスを指しながら名前を教えると拙い発音ながらも反復してくれたし、これが「グラス」というのだと分かってくれた。察しやすい子で良かった。
ただゲストルームで紙とペンを見た時の顔は面白かった…心の中で爆笑してしまうほどには。
その後もカリカリと集中してペンを走らせ、覚えてしまうのでこちらも嬉しくなりついつい沢山させてしまった。
その後夕食になると待ってましたと言わんばかりに目を輝かせて食事をしている姿には俺も殿下も癒された…
夜に簡単な絵本を渡して見たので、明日は長文読解をしてみよう。
彼はきっと、読見終えているはずだ。
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